【2部・第10節】無敗の法政大が未勝利の最下位・東京農業大に敗れる! 首位の早稲田大も敗れる大波乱!!

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【試合結果】JR東日本カップ2025 第99回関東大学サッカーリーグ戦・2部リーグ第10節

【©JUFA】


 『JR東日本カップ2025 第99回関東大学サッカーリーグ戦』2部リーグ第10節は、6月1日(日)に全6試合が行われた。

 今節は、上位グループ、下位グループとも大きく順位に変動があった。原因のひとつは上位2チームの敗戦だ。なかでも"大波乱"といえるのが、唯一の無敗チームだった2位の法政大学が、ここまで未勝利だった最下位の東京農業大学に敗れて初黒星。東京農業大ホームで行われた試合は、立ち上がりから法政大が主導権を握り、18分には島田春人の右からのクロスを小池直矢が頭で合わせて先制点を挙げる。このまま法政大が畳み掛けるかと思われたが、35分過ぎにハンドの判定でペナルティーキックを献上。37分、東京農業大は中條歩がゴール右隅にシュートを決めて同点に追いついた。1-1で迎えた後半は、両チーム一進一退の展開に。すると58分、東京農業大はディフェンスラインのロングキックを交代出場の山本葵が頭でつなぎ中條へ。中條は左サイドからペナルティーエリアにカットインし、逆サイドから上がってきた長谷川大貴にパスを送ると、長谷川は倒れ込みながらもゴールへと押し込んで追加点。東京農業大が逆転に成功する。東京農業大はこのゴールを最後まで守りきり、2-1で待望の今季初勝利。無敗の法政大から大金星を勝ち取り、ついに最下位から脱出した。一方、法政大はこの敗戦で2位から4位へと大きく後退した。

待望の初勝利をホームで、かつ無敗の相手に土をつけるという最高のシナリオで達した東京農業大 【©東京農業大学農友会サッカー部】


 首位の早稲田大学は7位の拓殖大学とホームで対戦。スコアが動いたのは20分。拓殖大は素早いパス回しで前線に上がると、最後は和田力也がDFの間をぬって左足一閃。和田の2試合連続ゴールで拓殖大が先制する。拓殖大は後半開始早々の50分にも井上恋太朗が鮮やかなミドルシュートを決めて追加点。0-2とリードを広げる。2点のビハインドを負った早稲田大はすぐさま野田隼太郎と伊藤猛志を投入。その後も早めの交代で流れを変えようとする。だが早稲田大がようやくゴールネットを揺らしたのは終盤の86分。久米遥太が右からのクロスを入れると、これを伊藤がボレーシュートでゴールに押し込み1-2に。しかしここからさらに得点を重ねることはできず1-2で試合終了。拓殖大が今季初の連勝を収めて5位に浮上した。2敗目を喫した早稲田大だが、2位・法政大が敗れたため辛うじて首位をキープ。しかしながら2位以下との勝点差は1刻みと、厳しい状況に追い込まれた。

拓殖大は和田力也の2試合連続ゴールなどで今季初の連勝を収めた 【©拓殖大学麗澤会体育局サッカー部】


 上位2チームが黒星を喫している隙をぬって首位戦線に名乗りを上げたのが4位の駒澤大学だ。5位・國學院大學をホームに迎えての試合では、24分にロングスローからチャンスを作ると、ゴール前の混戦の中で三浦翔遼人が倒されてペナルティーキックを獲得。しかし仁科星哉のシュートはゴール左に外れ、駒澤大は絶好の得点機を逸してしまう。それでも35分、駒澤大は明石梓希がセンターサークル付近で相手のボールをカット。そのまま数メートル上がると右足を振り抜き、ロングシュートを放ちゴールネットを揺らす。1点をリードして迎えた後半は膠着状態となったが、57分には髙橋修斗が左から入れたクロスを平山零音がつなぎ、最後は三浦がアクロバティックな体勢から押し込んで追加点。数少ないチャンスをきっちりとゴールに結びつけた駒澤大が2-0で快勝し、首位・早稲田大と勝点1差の2位に浮上した。

鮮やかなロングシュートを決めて駒澤大を勝利に導いた明石梓希 【©駒澤大学体育会サッカー部】


 首位と勝点3差、法政大学と同勝点の3位・産業能率大学は6位の立正大学と対戦。試合は後半に入って一気に動いた。無得点のまま前半を終えた両チームだったが、後半開始早々の50分に立正大が円谷遼紀のゴールで先制。しかし68分には中村優斗が2枚目の警告を受けて退場に。立正大はひとり少ない状況で残り時間を戦うこととなった。すると73分、今度は産業能率大が松森堅誠のゴールで同点に追いつき、試合は振り出しに戻り1-1のまま終盤に突入。すると攻めあぐねる産業能率大に対し、立正大は86分、フリーキックの流れから、混戦の中を渡邊啓佳がシュートを蹴り込んで追加点。ひとり少ない立正大がスコアを1-2とし再びリードを奪った。このまま逃げ切りたい立正大だったが、産業能率大も終了間際の90+3分に保竹駿斗が強烈なミドルシュートを突き刺して同点に追いつき2-2でドロー決着。勝点1を分け合う結果となった。


 下位グループにも変動があった。

 8位・神奈川大学と11位・山梨学院大学の試合は、思わぬ展開から先制点が生まれた。20分、山梨学院大のDF原田蓮斗が放ったロングキックはそのまま相手のゴール前へ。これを処理しようと前に出たGKの背後に回った吉岡拓海が、そのままボールを奪い無人のゴールへと流し込む。山梨学院大がラッキーな先制点を挙げるが、神奈川大もその6分後に逆襲の一撃。リズムよくパスを回してラインを上げると前田柊のスルーパスに守屋練太郎が反応。そのままゴール前まで抜け出すとゴール右隅にシュートを突き刺して同点に追いついた。神奈川大は後半早々の49分にも安原太洋の右コーナーキックを武笠隼季が合わせて2点目をマーク。逆転に成功すると山梨学院大に追加点を許さず2-1で勝利。3連勝を収め、7位に順位を上げた。一方、敗れた山梨学院大は12位の東京農業大が勝利したため最下位に転落となった。


 9位の順天堂大学は勝点1差の10位・関東学院大学と直接対決。試合が動いたのは前半も終わろうかという時間帯だった。順天堂大学はペナルティーエリア内で齊藤慈斗が倒されてペナルティーキックを獲得。45+2分、これを齊藤自身がゴール左隅に沈め1点をリードして前半を終了した。しかし後半に入ると関東学院大が一気に反撃に移る。後半開始早々の48分、佐藤未来也の右コーナーキックがオウンゴールを誘発して同点に。52分には岡田生都をピッチへと送り出すが、この起用が的中。64分、岡田とのワンツーでゴール前に抜け出した野嶋圭人が左足を振り抜いて追加点。逆転に成功した関東学院大は83分にも野嶋がドリブルで独走。左サイドから入れたグラウンダーのクロスを交代出場の吉田遥汰が決めてダメ押しの3点目。5試合ぶりとなる勝利で直接対決を制した関東学院大が9位に浮上。入れ替わりで順天堂大は10位に順位を下げた。

関東学院大学は野嶋圭⼈が1ゴール1アシストの活躍で5試合ぶりの白星 【©関東学院大学体育部連合会サッカー部】


 順位が大きく動いた第10節。無敗の法政大に大金星を挙げた東京農業大は、この勝利でついに最下位を脱出。とはいえ最下位の山梨学院大とは勝点1差と気の抜けない状況だ。一方、法政大だけではなく首位の早稲田大も黒星を喫したことで首位戦線は大混戦模様に。首位の早稲田大から4位の法政大までは勝点1差刻みで肉薄。次節は「アミノバイタル®」カップによる中断前の最後の試合。リーグ戦の折り返し地点で首位に立つのははたして――。



※表示スコアはホーム対アウェーのスコアで表示。

(文・飯嶋玲子)

【©JUFA】

全試合結果と得点者


産業能率大 2(0-0)2 立正大
得点者)【産能大】松森堅誠、保竹駿斗【立正大】円谷遼紀、渡邊啓佳

東京農業大 2(1-1)1 法政大
得点者)【東農大】中條歩、長谷川大貴【法大】小池直矢

早稲田大 1(0-1)2 拓殖大
得点者)【早大】伊藤猛志【拓大】和田力也、井上恋太朗

神奈川大 2(1-1)1 山梨学院大
得点者)【神大】守屋練太郎、武笠隼季【山学大】吉岡拓海

駒澤大 2(1-0)0 國學院大
得点者)【駒大】明石梓希、三浦翔遼人

関東学院大 3(0-1)1 順天堂大
得点者)【関東大】野嶋圭人、吉田遥汰、オウンゴール【順大】齊藤慈斗
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著者プロフィール

一般財団法人関東大学サッカー連盟は、関東地域における大学サッカーの水準向上と普及、加盟チーム相互の親睦共励、そして広く社会に貢献できる学生を育成することを目的に、1924年に創設されました。主要大会のひとつである『関東大学サッカーリーグ戦』では関東7地域から36大学が参加し、1部~3部のカテゴリーで熱戦を繰り広げています。近年は日本代表にも多くの選手を輩出するなど、通年でレベルの高い試合を展開しています。また主管大会として、大学の日本一を決める『全日本大学サッカー選手権大会』(インカレ)などの全国大会も実施しています。

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