「らしくない」打席が続く6月の大谷翔平 復調のカギは左投手外角低めのスライダーの対応か
なかなか状態が上がらない6月の大谷
最後、ネート・ローから空振り三振を奪ったが、メジャーリーグの公式サイトでは、その最後の球が、“カットボール”と表示されていた。しかし試合後、マスクを被ったダルトン・ラッシングに確認すると、「あれはスライダー」と明かした。
そのことを公式サイトでSTATCAST(ホークアイを用いたメジャーリーグ独自のデータ解析ツール)のデータを分析しているデビッド・アドラー氏に伝えると、「確かに、カットにしては、その前の2球とあまりにも軌道が異なる。捕手が言っているなら間違いないだろう。変更するように伝えておく」との返信があった。
果たして24日、あの球はスライダーに変更されていた。Baseball Savantのデータは、選手の自己申告でも修正されるが、データを管理するメンバーは、かなり柔軟に対応してくれる。
話を本題に戻すと――。
22日の第5打席、外角いっぱいの真っ直ぐを捉えた打球は、きれいな弧を描いて、左中間へ。久々に見た大谷らしい打球だったが、意外にも飛距離はギリギリ。フェンス上部に当たって跳ね返ったと判断され、最初は二塁打に。リプレイ判定の結果、最前列にいたファンのグラブに当たって打球がフィールドに戻った――つまり、フェンスを超えていたと判定され本塁打となったが、ドジャー・スタジアムだからこそ、ホームランとなったようなもの。実際、飛距離的には、30球場のうち柵を超えたのは3球場でしかなかった。
ただ、今年の飛ばないボールを考えれば、大谷だからこそ、本塁打になったともいえる。打球初速は101.3マイル。角度は37度。飛距離383フィート。同じ条件で検索すると、今季のリーグ平均飛距離は361フィート。2022年も飛ばないボールが使われていたので、2021、23、24年の3シーズンで調べると367フィート。デーゲームで乾燥していたことも影響したが、こんなところにも大谷の規格外のパワーが伺える。
とはいえ、今季の6月は大谷らしくない打席が続く。知られるように大谷は、6月入ってから例年、状態を上げる。まず、過去2年のxBA(予測打率。打球初速、角度を加味。守備力や運の要素を排除)を見ると、ともに250打席前後で一度落ちてから、300〜350打席で再浮上するのがパターンだった。
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